あらすじ
　退屈したリミットが、用事もないのに「パパを驚かせてやろう」とマジックベレーを飛ばしたところ、パパのところへは届かずに行方不明になってしまう。その直後、リミットのベレー帽を見たいという刑事が家にやってきて、リミットと西山博士は理由のわからないまま返答に窮してしまう。ところが刑事の説明を聞くと、最近町内を騒がせている連続放火魔事件の捜査をしていて、犯人はベレー帽姿の子供だったという目撃者が出たというのだ。放火魔扱いされたリミットは激怒、自分で犯人を捕らえて無実を証明してみせると息巻く。
　翌日、灯台の先端に引っかかっていたマジックベレーが見つかり、知らせを聞いたリミットと西山博士は灯台に急ぐが、すでに大勢の野次馬が詰めかけていて手が出せない。警察もやってきてマジックベレーを回収しようとするが、気を揉むリミットたちの目の前で、マジックベレーは風に吹かれて海に落ちて沈んでしまう。夜になってボスたちと一緒にパトロールに出たリミットは、闇を走る怪しい影を見つけてランとジャンプで追跡。リミットが追い詰めた放火魔は、なんと、観光客のたばこの火で火傷を負わされて復讐心に燃えていた子ザルだった。子ザルは事情を承知した警察に保護されて山に返される。
　一件落着のあと、マジックベレーを失って落胆していたリミットに、西山博士はひそかに回収して修理しておいたベレーを「気をつけて使うように」といって返してやるのだった。

みどころ
　放火魔だった子ザルから全く怨念が感じられず、人間の心ない仕打ちへの報復だったという説明が、いかにも子ザルを罰せずにすますために取ってつけたもののような印象を受ける。子ザルは、自分を捕まえようとするリミットたちに対して敵意をむき出しにして当然なのに、すぐにペコペコと謝るごめんなさいモードになってしまって情けない。
　また、リミットが犯人探しにのり出すきっかけとなる放火魔のベレー帽が、マジックベレーとは何の関係もなく、たまたまおなじかたちのベレー帽をどこかで拾ってかぶっていただけというのも、あまりに工夫がなくて興ざめ。

ヘンだぞ !?
　マジックベレーを調べられたらどうしようと心配している西山親子。「いやあ、世界的な科学者ですからね、子供にはこんなおもちゃも作ってやってるんです」と説明すればすみそうなものだが。