あらすじ
　スーパーマーケットで万引きのような素振りをみせたり、学校に生卵を持ってきて割ってしまって大騒ぎを起こすなど、卵をめぐって不審な行動を繰り返すボス。すべては、綾子ちゃんが可愛がっているピンクのニワトリを守るためだった。以前、縁日でテキ屋の甘言にのせられて買ってやったピンクのヒヨコだったが、いまでは立派なおんどりに成長し、毎朝けたたましく時を告げて近所の大迷惑になっていた。「近所迷惑だから捨ててこい」という両親に対して、ボスは買った卵をこっそりと小屋に置いて、「毎朝タマゴを産んで役に立っているんだから」といってごまかしていたのだ。
　ボスの健気な努力に感心したリミットは、学校で割ってしまった卵のかわりにといって、西山家の冷蔵庫にあった卵を渡してやる。ところが、それがゆで卵だったので、生卵を食卓に並べたつもりの石橋家では大パニック。リミットは責任を感じて、ボスの家を追い出されてしまったニワトリを自宅に引き取ったが、まだ夜も明けきらぬうちからのコケコッコ〜に、西山博士は「仕事にならん」とお冠。新しい飼い主を探して右往左往するうちに、ようやく近所の養鶏所の好意で飼ってもらえることになった。

みどころ
　タイトルは「おんどりのタマゴ」なのだが、画面の絵はどう見てもめんどり。だいいち、いくらマンガの世界とはいえ、大人たちのあいだで「タマゴを産む特別なおんどり」なんて冗談が真顔で通ってたまるものか……と言いたいところだが、明け方にやかましく鳴くのは普通おんどりだし、めんどりだけども卵を産まないという設定にしては説明不足だし……なんだかよく分からない。
　大笑いできる楽しい場面がたくさんあるのだが、脚本を十分に吟味しないままに、演出・作画陣が思い思いに突っ走って破綻してしまった感じ。ひと言でいえばシリーズ随一の怪作。

ヘンだぞ !?
　うーん、リミットちゃん大失敗が明らかになる石橋家の食事場面、あれもゆで卵に見えなくて、そこだけ見ると「ゆで卵のつもりで割ったら生卵だった」という場面かと思ってしまう。スタッフの皆さん、ちゃんと打ち合わせしたの？