あらすじ
　忘れものが絶えず、坂田先生から「エラーマン」のあだ名をつけられて落ち込む友男。リミットは友男の持物チェックを買って出るが、ブー子が何気なくもらした「忘れものもしなければ風邪もひかない……リミットちゃんて機械みたいよ」という言葉に傷つき、仮病をつかってずる休みを決行する。そのためにノーチェックで登校することになって再び忘れものをしてしまった友男は、先生に怒られるのが怖くて逃げ出し、校内を転々とするうちにトラックに積んであった金庫のなかに隠れて出られなくなってしまう。
　友男が行方不明になったことを知ったリミットは、責任を感じて、ネグリジェ姿のままベッドを抜け出してフライングバッグで捜索し、間一髪のところで友男を救出してやる。ところがそこに先生たちがやってきて、「西山さん、あなた風邪で休んだんじゃなかったの？」、「な、直りました。急いで出てきたところです」、「でも鞄は？」、「あ……忘れました」となって、めでたくリミットもエラーをすることが分かってもらえたのだった。

みどころ
　年配の方には言わずもがなであろうが、タイトルの「エラーマン」は、７０年代初頭に流行した特撮ヒーロー「ミラーマン」のもじり。
　今回初出ではないが、回想シーンで流れているハモンドオルガンによるスローテンポなエンデイングアレンジは、リミットが苦悩する場面でよく使われた思い出深い曲。ＣＤなどでは、第６話のラストシーンで使われたビブラフォンによるメロオケが収録されているが、エンデイングテ−マのアレンジ曲としては、こちらのほうがファンの印象に強く残っているのではないだろうか。私にとっては、夕焼けの丘の場面などで多用されたオカリナ風の楽器によるオープニングアレンジとともに最も泣ける曲のひとつだった。
　この場面をのぞいて重苦しさはないが、表面的な明るさとは裏腹に、完璧すぎることを指摘されて思いつめたリミットが脱線していく姿には哀しいものがある。特にラストで「忘れたのよ、すごいでしょ！」とリミットが大はしゃぎする場面は、劇中人物と一緒になって笑う気分にはなれなくてホロ苦さが残る。感動的名作といった趣ではないが、コミカルな要素とシリアスな要素がバランスよく混ざった好エピソードといえよう。
　本筋からは離れるが、出勤前に見ていたテレビの討論番組に共鳴し、そのままの受け売りで生徒に説教する坂田先生の姿が妙にリアルで可笑しい。

ヘンだぞ !?
　熱い蒸しタオルを額に乗せて加熱すれば、手を触れた人に高熱があるように感じさせることができる……？　直前に熱湯でもかぶらないかぎり、冷たく感じるだけだと思うぞ。