あらすじ
　バスで出会ったお嬢さま風の女の子にひと目惚れした友男に対して、なぜか神経を尖らせるボス。ボスの不審な行動にそれとなく様子を探りはじめたリミットは、まもなくその女の子がボスの妹・綾子ちゃんだと知って仰天する。綾子ちゃんは、ボスとは似ても似つかないフランス語ペラペラの才女であり、ボスは綾子ちゃん可愛さのあまり、自分のような不出来な兄がいることをひた隠しにしていたのだ。
　そうとは知らずに、綾子ちゃんの誕生パーティーに招待された友男は大よろこび。一方のボスも、綾子ちゃんが招待した友だちがフランス語仲間の外国人だと思い込んで、せっせと怪しげなフランス語の勉強に精を出しはじめる。パーティーでお互いに相手の正体を知ったふたりは険悪ムードになるが、「お誕生祝いに、お互いに知らない者同士というお芝居をやろう」というリミットの提案で、しぶしぶと社交的な会話を交わしはじめ、綾子ちゃんの手厳しい演技指導やフラワーリングの威力で次第に盛り上がってしまう。

みどころ
　１年生のくせに「そろそろ怪獣を卒業しないと」とうそぶいて背伸びをする友男、意外なところで思いやりのあるところを見せるボス、折り目正しくしっかり者でありながらボスに対しては甘えん坊の綾子ちゃんと、３者３様の個性がからみ合って楽しませてくれる一編。昭和49年春の東映まんがまつりで劇場公開された。
　ボスの教室掃除を手伝ってやる場面でのリミットは、やさしさを素直に出さずにちょっぴり恩きせがましいセリフが可愛らしくて魅力全開なのだか、ミラクルパワーの描写があまりにいい加減で魔法みたいなのがいただけない。

ヘンだぞ!?
　パーティーの場面で、ボスやブー子から、どうして事前に相手のことを教えてくれなかったんだ詰め寄られたリミットの咄嗟のいいわけは、「あたしが内緒にしなくても、どうせすぐ分かることでしょ」……これって何を言ってるのかサッパリ。取り乱したリミットちゃんのＮＧでした。