あらすじ
　リミットは、不意に自室に駆け込んできたネズミから逃げようとして、ミラクルジャンプで窓から飛び下りたところをチ−坊に見られてしまう。チー坊はリミットの離れ業をみんなに教えようと躍起になるのだが、ブー子にも友男にもサッパリ理解できず、フラストレーションがたまったチー坊は次第に乱暴になって浅見家の人々を悩ませる。手をやいたブー子からチー坊の家庭教師を頼まれたリミットは、「チー坊が話せるようになったらどうしよう」と気を揉みながら、仕方なくピアノを弾いて歌を聞かせたりするが、チー坊が眠り込んだのを見計らって飛ばしたつもりのマジックベレ−を、またまたチ−坊に見られてしまう。
　その晩、チー坊はリミットの真似をしようとして屋根に上って墜落しかかるが、たまたま屋根の上にいたボスがそれを助け、ボスはすっかりとチー坊のお気に入りになって子守を引き受けさせられる羽目に。やがてリミットは、ボスから「チー坊がリミットが好きだと話した」といってチー坊の世話を押しつけられ、とうとう秘密がばれてしまうと青ざめるのだが……。

みどころ
　いまひとつパッとしない第１話、第２話のあとを盛り上げてくれた爆笑エピソード。なんといっても本編の魅力は、声優・坪井章子さんと作画チームとの呼吸がピタリと合ったチー坊の演技に尽きる。うわべだけでない感情表現豊かな喃語と、身ぶり手ぶりや目の表情の芸の細かさには舌を巻かされる。
　誰にも理解できない喃語で延々と熱弁をふるい、ひとりで勝手に自己完結してしまって満足顔で哺乳瓶のミルクを飲みはじめるシーンの面白さは、自分が親になってみてはじめて理解できた。また、帽子（マジックベレー）が空を飛ぶことを知って大よろこびのチー坊が、家中の帽子をポンポン窓の外に放り投げて大騒ぎになる場面も愉快。チー坊が話せるようになったかどうかの一点に注意を奪われたリミットが、深刻な表情でトンチンカンな受け答えに終始しているのも笑える。