小学四年生版
「ミラクル少女リミットちゃん」志村みどり
昭和48年9月号（8月1日発売、6ページ）
飛行機事故にあったリミットちゃんは、やっと元気になって、2か月ぶりに学校に行くことに――でも、まだサイボーグにされたことを知りません。
学校にいく途中、リミットちゃんは、自動車にひかれそうになった栗本くんを助けにとび出して、自分でも知らずに怪力と超スピードを発揮して、ビックリしてしまいます。
身体の異変がこわくなったリミットちゃんは、あわててパパに理由をきいて、はじめてサイボーグの秘密を打ち明けられました。
アニメの第1話では、リミットちゃんは最初から当然のようにサイボーグとして登場し、過去の経緯は、簡単な回想シーンですまされてしまいました。 あまりに工夫のない導入部で、せっかくの斬新な作品世界を視聴者に印象づけることができずに、その後の視聴率低迷の遠因にもなったのではないかと思います。
番組の性格上、凄惨な飛行機事故を生々しく描くことは困難だったでしょうが、この漫画のように、リミットちゃんが自分の秘密を知って愕然とする場面くらいは、第1話で描かれてもよかったのではないでしょうか。
昭和48年10月号（9月1日発売、6ページ）
バレエ発表会の「白鳥の湖」の主役をめぐって光子と競いあうリミットちゃんですが、負けたくない一心で、ダンシングブーツをつかって主役の座を射止めてしまいます。 でも、アンフェアな行いを後悔したリミットちゃんは、本番の舞台で主役を光子にゆずるのでした。
本編に該当するエピソードは、アニメでは制作されませんでしたが、企画書にサンプルストーリーとしてあげられていて、そこからふたりのバレエ姿の番宣用セルが描かれたことが知られています。
昭和48年11月号（10月1日発売、6ページ）
泥棒を捕まえようとしてノックアウトされてしまったボスに代わって、婦人警官に変身して大活躍したリミットちゃん。 ところが、泥棒を追ってきた被害者は、ボスが泥棒をやっつけたのだと勘違いして、しきりとボスに礼をいいます。
いつのまにかボスもその気になってしまいますが、一部始終を見ていたチー坊だけが、一生懸命にみんなに本当のことを話そうとしてリミットちゃんを慌てさせます。
昭和48年12月号（11月１日発売、10ページ）
第10話「夢がいっぱいわたしのリュック」の漫画化作品。
ただし、光子グループとの争いや、ブー子が絶交の理由を話す場面は、遠足のなかでの出来事になっています。
昭和49年1月号（12月1日発売、8ページ）
リミットちゃんが落としたフラワーリング（作中では「マジックリング」）を見つけた友男くんは、綾子ちゃんとの仲を認めてもらおうとして、ボスへの貢ぎ物にしてしまいます。
昭和49年2月号（1月1日発売、8ページ）
リミットちゃんは、坂田先生のお嫁さんになりたいと思っています（ホントか？）。
ところが新聞部のボス（これもマジ？）の情報によると、坂田先生はお見合いをしていて近々結婚するらしいというのです。
大ショックのリミットちゃんが、こっそりと坂田先生のうちの様子を見にいきますと、ちょうど上品な女性が犬を連れて訪ねてくるところでした。
でも、その女性は「あまりきれいな家じゃないわね」なんて悪口をいってます。
頭にきたリミットちゃんは、お見合いをぶち壊してやろうとするのですが……結局、ペットの犬のお見合いにすぎなかったというオチ。
昭和49年3月号（2月1日発売、8ページ、最終回）
夕食どき、浅見家からもれてくる団らんの声を聞いて、ションボリとしているリミットちゃん。 屋根に上って、一緒の飛行機にのっていて事故死したママのこと、事故がなければ弟や妹もできて賑やかになったであろう家のことなどを考えているうちに、淋しさのあまり気を失ってしまいます。
「だれか、ママをたすけて…」
うわごとを言いつづけるリミットちゃんですが、みどりさんが枕元に座って子守唄を歌ってあげると落ち着きます。
リミットちゃんは知りませんでしたが、実はパパは、みどりさんと再婚することにしていたのです。
そして結婚式の日、すっかりと元気になったリミットちゃんは、「はやく妹をつくってね」と大はしゃぎするのでした。
リミットちゃんが元の身体を取りもどして、パパがみどりさんと再婚するというのが、当初予定されていた最終回のストーリーだったそうです。
個人的には、「元の身体を取りもどす」という終わり方は、お手軽な感じがしてしまってイヤなのですが、再婚ストーリーのほうは見てみたかったですね。
